Magic0.イントロダクション



「我々、式守家が所有する秘宝の封印が、日本魔法協議会から正式に受諾された」

 式守家現当主・式守護国は、対面に座る高峰ゆずはにそう告げた。
ここは式守家当主室。式守の当主を交えた要件でしか使われない間だ。

「ふう。これであらかた厄介ごとは片付きましたか。
 後はこちらで封印するだけですね」

「そういうことになる。協議会も渋々であったが首を縦に振ってくれたのは助かった。
 向こうも秘宝暴走の顛末は知っているからな。拒否はできなかったようだ」

「そのようですね」

 そう言ってゆずはは視線を落とした。
秘宝暴走。それはおそらく次期当主の式守伊吹がもたらしたものではない。
その前、式守家前当主の那津音が亡くなったことを指しているだろうことに気付いたからだ。

「…ところで。その後の彼の調子はどうなのかな?」

 ゆずはの表情が陰ったことに気づき、護国は話題を変えた。

「ええ、まったく問題はありませんよ。
 魔法科では既に頭角を現しているようですね。
 御薙の血族であったことも然り、
 実践、魔法理論ではずば抜けた才能を持っていますから」

「…御薙の事は、もう少し落ち着いてから話すのではなかったかな?」

 その言葉にゆずはは苦笑した。

「そのつもりだったようなのですが、どうやら彼の担任がうっかり…」

「ああ、陽菜君か。彼女もまた…。そういうことか。ははは」

 護国は声を上げて笑ったが、直ぐに表情を引き締めた。

「して、彼のワンドは?」

 ゆずはは護国の質問を聞き、意味ありげにクスッと笑った。



「………あれほどの性能を持つワンドなど、そうはないでしょう」






Happiness story『小日向雄真と夏休み戦争』


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